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TOP > INTERVIEWS > #52 児玉裕一
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INTERVIEWS

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毎回毎回ナイス・アイディア!と唸りたくなるポリシックスのミュージック・ビデオが気になっていた人は多いことだろう。あの映像を手掛けているのは児玉裕一氏。スネオヘアーやくるり、YUKIなどのヒット曲を筆頭に、最近ではミドリカワ書房のドラマシリーズ、Baseball Bearの学園シリーズなどを手掛けてきた気鋭の映像ディレクターである。そのほか番組オープニング映像、CD/DVDデザイン、CM制作まで幅広く活躍する彼が、ミュージック・ビデオに対する意識を語ってくれた。

取材・文 石井恵梨子

最初に映像に興味を持ったきっかけって、何だったのか覚えてますか。

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「TRON」

「小学校の時に見た『トロン』って映画ですね。それはすごく衝撃だった。ディズニーが作った初のCG映画っていう触れ込みだったんですけど……今にして見ると全然CGじゃなくて(笑)。全部手書きでラインを引いたような光とか、フワッとしてる、コクのある光というか(笑)。でも逆にそのトーンが良かったんですよ。ピカピカしてて。僕、今の時代のすごいCGにはそこまで興味がなくて、ああいうトーンを逆に今出せたらいいなぁと思うんですね」

映像の技術についてはどんなふうに学んだんですか?

「ほとんど独学っていうか、何もしてないですよ。大学では化学を研究してましたけど、その頃から映像をちょこちょこ作ってたりしましたね。あとはモーショングラフィックをずっとやっていました。ちょうどAfter Effectsっていうソフトがヴァージョン3.0になって使いやすくなって、これからはモーショングラフィックスが凄いぞ、と盛り上がっていた時代だったので」

最初のお仕事というのは?

「当時は仙台にいたんで、地元のコマーシャルとか地元の番組のワンコーナーを勝手にやったりしてましたね。なぜかそういう方とお知り合いになることが多くて、その意味ではツイてるなぁと思うんですけど。こっちに来たきっかけも、スペースシャワーTVから話をいただいたからで。最初は『劇空間リクエストアワー』っていう番組を一年ほど作ってたんですけど、たまたま“スネオヘアーっていうアーティストがデビューするから一緒にできないかな”って言われて。それが最初のミュージック・ビデオの仕事ですね。ミュージック・ビデオは昔から大好きだから嬉しかったですね。まさか自分が作れるようになるとは、っていう」

いざ制作サイドに回ってみると、想像していた世界とのギャップは当然あると思うんですけど。

「まぁ何にせよ……予算がなくて時間もない世界なんだなぁっていうのは痛感しましたね。やっぱりすごくきらびやかな世界に見えると思うんですよ。アーティストがバーン!と出てくるし。でも予算のなさは深刻な問題だったりして。ただ、予算があれば面白いことできるのかって言えば、そういうわけじゃないと僕は思うんです。あとミュージック・ビデオって基本は広告なので、ちゃんとその曲を宣伝しなきゃいけないし、限られた制約の中でできることを考えたい。人の目を惹きつけるもの、引っ掛かりのあるものにしたいし、同時にわかりやすいものにしなきゃいけない。曲のテーマを一回分解したり、また別の色を加えたりしながら、その音楽から何を引き出せばその曲が活きるのかを毎回考えていますね」

それプラス、もちろん児玉さんならではのカラーもありますね。

「はい。僕はわりとミュージカルが好きなんですよ。あと映画のエンディングの、ほんと最後のラストシーンみたいなのが好きで。話がグワーッと盛り上がって、最後に音楽が流れてくる瞬間だったりね。そういうイメージで毎回カタルシスを付けたいと思っていて。もちろんケース・バイ・ケースですけど、緩急を付けながら進んでいって、見終わった時にはしっかり満足できる、達成感があるような構成にしたいなと毎回思っていますね」

それにしても手掛けるアーティストは幅広いですよね。変な話、自分の中で得意なものと苦手なものってあるんですか。

「やっぱり……すごくロックな感じのものとか、フォークな感じは苦手かもしれないですね(笑)。苦手っていうほどじゃないけど、もともとはハウスとかテクノとか4つ打ちの音楽を普段聴いているので」

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POLYSICS 「I My Me Mine
(STRONG MACHINE 2 Ver.)」

あぁ、だからポリシックスみたいなバンドの方が面白く撮れる。

「そうそう。ああいうのはお楽しみだったりするんですけど。たとえば「I My Me Mine」のミュージック・ビデオにしても、最初からダンスにしたいってアイディアはあったけど、やっぱり広告である以上はインパクトのあるものにしたい。だったら見たことのないダンスを探そうと。そしたら見たことのない人(注:ストロングマシン2号ちゃん)がダンスしてたんですよ。インターネットで見つけたんですけど、見たことのない大会で、見たことのない踊りで。速効その大会の主催者に電話して問い合わせましたね」

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ミドリカワ書房 「OH!Gメン」

今や全国区で大人気になりましたね(笑)。ポリシックスの場合は歌詞に物語性がないからアイディアで遊べますけど、それと対照的なのがミドリカワ書房。

「そうですね。この人の何を伝えれば一番いいんだろうって考えると、やっぱり歌詞であって。あの歌詞を全面に出していくなら、もう歌詞通りに作ろうと。もちろんどれくらい歌詞に合わせる、合わせないかっていう匙加減は気を遣うんですよ。ただのカラオケビデオになってもいけないと思うから、そこは毎回考えるところなんですけど。でもミドリカワ君とはもう20本くらい一緒に作ってきたから、だんだんやり方もわかってきましたよ(笑)」

ミュージック・ビデオに限らず、将来的にやってみたいことは?

「たぶんみんなここで映画、って言うんだと思うんですけど、僕はあんまり映画に興味なくて。まぁCMはどんどん作りたいですけど、ただ、ミュージカルだったら作ってみたい。去年、年末に一十三十一さんの「粉雪のシュプール」っていうビデオを作ったんですけど、ああいうキラキラしたトーンの、理屈なしに楽しい気持ちになるようなハッピーエンドの作品。それをミュージカルでいつか作ってみたいですね」

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